大型アップデートの日まで2週間を切りましたが、いかがお過ごしでしょうか



多くのライトプレイヤーの関心は「動画配信」についてだと思います
先日、ドラクエ10の動画配信と聞いて誰もが思い浮かぶ「あの方」にインタビューしましたので、今回の記事はインタビュー内容を全文掲載します





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□インタビュー内容

・「あの方」とは?

タイトルの通り、ドラクエ10の元動画配信者であるマハポーシャさんにインタビューしました



「動画配信の規約」について、すべてのドラクエ10経験者の中でもっとも精通している方だと思ったからです



私の個人的な感想などは記事の最後に書きますので、まずは中立的な立場でインタビュー内容をそのまま掲載したいと思います



T=豆腐屋(ブログ主)
M=マハポーシャさん



目次


 ▶1.規約改定の是非について
 ▶2.YouTubeと全サーバーの配信許可について
 ▶3.配信者側にとって何が変わるか
 ▶4.野良晒しの不安について
 ▶5.今後プレイヤーが話し合っていくべきこと




1.規約改定の是非について

T:
まず、今回の規約改定について「良い、悪い」でいえばどちらだとお考えですか?


 
M:
 >「まず、今回の規約改定について「良い、悪い」でいえばどちらだとお考えですか?」

規約改定そのものは良いことだと思います。公式サイトの告知ページにも "ガイドラインの策定当時に比べゲームの動画配信がより一般的に楽しまれるようになった" という一文がありますが、ドラクエ10だけが他のオンラインゲームと比べて、動画配信に関するルールが時代遅れなものとなっていましたからね。その一方で、極限攻略さんを筆頭に、著名人たちが続々とYouTubeに動画を投稿している現実もあります。こうしたグレーな状況をハッキリさせるためにも、ドラクエ10は映像配信を全面的に認めていると宣言するのは必要不可欠なことでしょう。


もちろんオートマッチングを含めた全サーバー解禁について、反対意見が出るのも致し方ないことです。しかし、YouTubeの動画配信を認める場合、胴元がグーグルということもあって融通が利きづらいんですよね。そのため、今までのような配信サーバーの制限の撤廃についても、そうするしかなかったというのが運営側の本音だと考えられます。



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2.YouTubeと全サーバーの配信許可について

T:
たしかに、ここ1年でYouTubeに動画投稿する著名人は増えていますね。配信許可をニコニコ生放送(以下、ニコ生)に限定していて、オンラインゲームにしては時代遅れな感じはありました。


今回の騒動のポイントは『YouTubeでの配信許可』と『配信の全サーバー解禁』の2点だと思いますが、大半のユーザーの関心は後者だと思います。『全サーバー解禁』についてもYouTubeやグーグルは関係しているということでしょうか?



M:
 >『全サーバー解禁』についてもYouTubeやグーグルは関係しているということでしょうか?

たとえば、現行のルールのままサーバー21と22のみ配信許可という条件をつけたとします。それでサーバー1で撮影された動画がYouTubeにアップロードされたとしても、運営側はYouTubeからその動画を削除することがかなり難しいんですよ。「うちの規約に反しているから消してね」というのは、基本的にYouTubeでは通用しませんからね。


現時点ではドラクエ10はYouTube配信を認めていませんから、どの動画も「著作権違反」という名目で削除することが可能です。これまで何か問題のある動画が投稿された場合、スクエニは法務部を通じて「著作権違反」として圧力をかけることで、YouTubeから問題のある動画を削除してきた経緯があります。実際に私も法務部さんを通じて圧力をかけられたことがあります。こうなるとYouTubeでの活動を優先したい人間にとって、ドラクエ10というゲームはかなりリスクが高いものになりますし、私も早い段階からいつ休止するか考えながらプレイを続けていました。


ニコニコ動画以外でも動画配信を認めるというのであれば、こうした曖昧なルールというのは撤廃するしかありません。さらにPS4のシェア機能も解禁するとなれば、だれでもワンタッチで動画投稿が可能になるわけですから、あまり配信ルールを難解なものにするとトラブルが増えることでしょう。いずれにせよ、今のままYouTubeやシェア機能を解禁するのは現実的ではありませんので、全面的に動画撮影を解禁するしかなかったということでしょう。



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3.配信者側にとって何が変わるか

T:
たしかに現行のルールでは曖昧な点が多いですよね。現在のままだと、スクエニ運営側とYouTube側とのやりとりは特に規約上も複雑なものになっていると思います。PS4のシェア機能を用いた動画配信の自由度も考えれば、今回の規約改定にも納得できる部分があるでしょう。『早い段階から休止時期を想定していたこと』についてお聞かせ願えますか?



M:
> 『早い段階から休止時期を想定していたこと』についてお聞かせ願えますか?

YouTubeをやってる人間ってみんなそうなんですが、ゲーム会社とむやみにケンカをしたくないんですよ。ニコ生あたりの文化だと逆で、運営さんとケンカをすると褒められる風潮があるみたいですけど。YouTuberっていう生き物はそのへんが冷めているというか、先々のことを考えてデメリットやリスクしかないと考えたら手を出さない傾向にあります。このことは、昨年の4月にドラクエ10を離れて、いろいろなジャンルのYouTuberさんと接してきて感じたことですね。


自分の場合、ドラクエ10をやりたいのではなく、あくまでYouTubeで動画を出すことが一番の目的になります。その選択肢の1つにドラクエ10があったわけで、現行ルールだと厄介なことが多すぎるし、時間的・精神的にも負担の大きなゲームですから「ちょっと続けられないかな」と思いながら動画投稿をしていましたね。要するに、現行の配信ルールのままではYouTubeで活動することは現実的じゃないということです。


ドラクエ10を休止した時点でチャンネル登録1万人程度だった自分ですら、こういう感じに距離を置いて活動していたので、もっと規模の大きなYouTuberさんは自分以上に敬遠したがるものですよ。スクエニは星ドラ・ビルダーズ等で大手YouTuber所属の芸能事務所と繋がりを強化していますし、そのあたりの事情もあって、今回のようなYouTubeに照準を合わせた改革をしてきたのかなと考えています。



T:
一般的に有名なYouTuberも規約上、健全なゲーム実況をしていますしね。マハポーシャさんの場合はドラクエ10の動画を上げることが目的ではなく、あくまでも動画としての需要がある手段の1つとしてドラクエ10を選んだということなんですね。


時間的な都合については、動画配信者として当然のことだと思います。視聴者や収益の関係が常に影響するのが動画配信者なので、たとえばマハポーシャさんなら現在では『星ドラ』配信にシフトしていますしね。それでは、長引かせてしまいましたが、(個人的には)本題です。今後マハポーシャさんは、ドラクエ10配信を再開する予定はありますか?



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 M:
 > 「ドラクエ10配信を再開する予定はありますか?」」

どの程度の活動内容になるかはまだわかりませんけど、このままオートマッチングを含む全エリアでの配信が可能になるならば、動画の更新は再開していきたいと思いますね。YouTubeも正式に認可されるということですから、先ほど説明させていただいたようなリスクはなくなるということです。また、今までは表向きはYouTubeに対して無視を装っていた運営も、今後はなにかあればGMチャット等で事前に話し合いの場が設けられるでしょう。ある日突然、ゲームを通り越して法務部さんが動いちゃう心配がゼロになるというのは、規模の大きなYouTuberさんたちにとっても選択肢の1つに挙げられるきっかけになるはずです。


ただ、もう今の自分はドラクエ10以外の分野での活動が長くなってしまいましたし、視聴者の多くが他の動画を期待しているのが実情です。以前のように年間1000時間に達するようなプレイはできないでしょうね。オートマッチングの配信がOKになったので、季節のイベント紹介とか、簡単なボスコイン消化や邪神攻略ぐらいに留めることになると思います。いわゆるライトプレイヤーの遊び方を前提に、動画も不定期更新になるでしょうね。


そういうわけなので、今回のオートマッチングの配信解禁というのは、動画配信を活性化させる上で重要なことだと考えています。もう8人も固定メンバーを集めて、全員に動画撮影の許可証明(チャットログ等)を強いる必要もありませんから。本気でドラクエ10に人生をささげなくても、いろいろな遊び方を動画で紹介できるようになるというのは、もっとポジティブに考えてもいいんじゃないでしょうか。



T:
なるほど。現行のお知らせにある規約通りならば、YouTuberにとってもチャンスになるということですね。ドラクエ10の人口減少などネガティヴなことにも触れますが、それを見越しても踏み込む価値があるかどうかの土台は醸成されるということですしね。


たしかに現在のマハポーシャさんは、星ドラなどのゲーム配信やパチンコ動画で、以前よりも再生数を増やしている実績があります。年間1000時間については、恥ずかしながら私は3000時間ほどプレイしていますがw


配信者としては、現在の最前線のである、いわゆるトップ層ほど『ガチ』を求めなくても動画配信の需要はあるということですね。



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4.野良晒しの不安について

T:
それでは、今回のインタビューで最も注目されていることについて質問します。今回の規約改定について、『提案広場や多くのブログで否定的な意見が多いこと』についてはどうお考えでしょうか?」


 
M:
 >『提案広場や多くのブログで否定的な意見が多いこと』

これについては、今現在において普通に遊んでいる人にとっては、トラブルに巻き込まれるリスクが生まれるわけですから当然の流れと思います。ただ、提案広場であれだけの反対意見で埋め尽くされるというのは、ちょっと感情的になりすぎかなという気がしますね。


例えば、極限攻略さんが実施したツイッターアンケートでは、有効票7500の中でも約25%ほどはガイドライン改定に賛成でした。また、反対票の中でも「大反対」というのは半数に限られていて、「やや反対」という意見と拮抗しています。動画配信そのものに対してアレルギー反応を示しているのは、実はそれほど大多数というわけではなくて、条件や環境さえ整えば「改定もやむなし」と考える人の方が多いと見ることもできます。



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反対意見を述べているブログやツイートを見ていると、野良配信における嫌がらせ・暴言を危惧している人がほとんどですよね。配信の可否そのものを問題にしているというよりも、そこから生まれるトラブルが問題視されているということです。こうした意見に対して、運営はGM監視や処罰を徹底するように努力するべきでしょう。自分は「どこで撮影するか」という問題と、「どんな内容で発信するか」「どのようにトラブルを回避していくか」という問題は切り離して考えるべきだと思いますね。


特にアクセス数が収入につながるブロガーさんたちについては、現在のニコ生で横行している悪質放送ばかり取り上げて、それが公認あるいは助長されるかのように決めつけて煽るのは控えていただきたいですね。ドラクエ10以外のゲームがそうであるように、自由度を上げるべきところは上げていって、GM対応なども含めて抑制すべきところは抑制していく方向で議論すべきじゃないでしょうか。



T: 
『配信=悪』という風潮はたしかにありますね。ライト層にとっては、いつ自分が知らないところで晒されていやしないかという不安もあるのは事実です。それよりも、『配信者側のマナー』と『そういうプレイヤーを取り締まること』に運営側が重点を置いて考えるべきだということですね。現状でも規約の抜け道を作って処罰を逃れている配信者は多いですから、配信者自身と運営の規制をより強くするべきだという意見には賛同できます。



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5.今後プレイヤーが話し合っていくべきこと

T:
最後に、『特にアクセス数が収入につながるブロガーさんたちについては(省略)それが公認あるいは助長されるかのように決めつけて煽るのは控えていただきたいですね。』についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?私みたいなファンには伝わっていても、そうでない人にはなんのことなのかわからない人も多いと思います



M:
> ブロガーの扇動について

本来ならば今回のガイドライン改定で議論されるべきなのは、YouTube等の配信許可サイトの拡大、PS4のシェア機能による動画配信の敷居が下がることについて、どう運営が対応していくべきかという問題だと思います。ドラクエ10が今の動画中心の時代にどう折り合いをつかせていくか、考えるべき時期に差し掛かっていますからね。


ところが、なぜかランキングの上位にあるブログの多くは、現行のガイドラインでも存在している悪質な放送に関する部分のみを抽出して、それが広がることを前提にして「賛成か反対か」という短絡的な議論にすり替えているんですよね。今後の新ハード、新パッケージを踏まえて発展的に議論をしたいのであれば、感情論に火をつけて一時の盛り上がりで騒ぎ立てるようなことは控えた方がいいんじゃないでしょうか。


ちょっと話はズレてしまいますが、かつて職人のチート騒動で盛り上がったときも、多くのブログが問題点を「ダイス賭博」にすり替えていました。チートに関する話題というのは技術的な知識も求められますし、法的な解説についても避けられないので、手っ取り早く感情論だけで煽れるダイス賭博に的を移したのです。本人たちが意図的にやっているのかどうか判断できない部分もありますが、「なぜこうなったのか?」とか「他のゲームはどうなのか?」といった前提知識を紹介して、その上でドラクエ10で起こっていることと対比させながら考えていくのが自然なことでしょう。


今回このインタビューに応じようと思ったのは、ガイドライン改定につながった経緯とか事情について、誰も語りたがらないように感じたからです。もちろん自分はYouTube配信をしている側の人間なので、完全中立というわけではありませんが、少なくとも伝えるべき動画配信の事情についてはお答えできたかなと思っています。こうした現実世界におけるルール作りの難しさなども踏まえて、もう少し冷静な議論が進んでいけば良いんじゃないでしょうか。


感情論ばかりぶつけていても、なにも良い方向には変わらないし、より強硬に物事が推し進められていくだけですので。



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T:
これまでオンラインゲームに縁がなかった人たちも、ドラクエ10から始めた人は多いと思います。
サービス開始から6年目を迎えようとしていますが、インターネット業界ではニコ生の衰退やYouTubeの一般層への浸透など、5年間で利用者が求めるものにも大きな変化がありました。
今後もバージョンアップを重ねてサービスが続いていくドラクエ10全体のことを考えれば、「自分が晒されたくない」という感情面だけで反対を唱えても済む問題ではないということですね。


ガイドライン改定の経緯については、元ドラクエ10動画配信者として実績のあるマハポーシャさんだからこそ、経験に基づいて話せる部分は大きいと思います
今回のインタビューをお願いしたのも、我々現役プレイヤーこそ現在とは別の角度から話し合う必要があると考えたからです。



インタビューは以上です。マハポーシャさん、こんなブログのためにお時間を割いていただき誠にありがとうございました。ぜひ、またドラクエ10を再開されることを願っています!


 
M:
>こんなブログのためにお時間を割いていただき誠にありがとうございました。ぜひ、またドラクエ再開されることを願います!

はい、どうもありがとうございました。今回のガイドライン改定が、少しでも新しい人を呼び込んだり、やめてしまった人を呼び戻せるきっかけにつながればいいですね。ブログというテキストメディアの需要もまだまだ根強いと思いますので、下町豆腐さんもがんばってください。
 


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□感想

インタビュー内容は以上です

すべてを読んだ上で賛成か反対かを判断するのは読者さんひとりひとりに委ねられますが、少なくとも「悪質な放送で晒されたくないから」という論点だけで議論が停滞していたことに気が付いた人は多いのではないでしょうか


もちろん「ドラクエ10全体のことよりも自分が楽しく遊べるかどうかの方が大事」でしょう
このインタビューでは、「ドラクエ10全体の発展のためだから受け入れよう」などと、きれいごとを述べているわけではありません


大事なのは「感情論ではなく冷静な議論」をすることで、インタビューの冒頭にもある「ドラクエ10だけが他のオンラインゲームと比べて、動画配信に関するルールが時代遅れなもの」となっている現状をプレイヤー個々が認識して、視野を広げて今回の規約改定と向き合わなければならないということです


「悪質な配信者への処罰」は現在でも取り締まれていない問題です
運営側がYouTubeを正式に認めることによって、今後は配信者だけではなく、運営側による規制の幅も拡がっていくでしょう
規約改定の中止そのものを訴えるのではなく、改定後の配信者への監視の強化やそうした規約内容の導入など、悪質なプレイヤーを厳しく取り締まれるよう運営側に求めていくのが現実的な手段ということですね





まだまだお聞きしたいことがたくさんありましたが、私が舞い上がっていたせいで長時間に及んでしまったので、インタビューはここまでです


お忙しい中でお時間を割いていただけただけでも十分にありがたいことですが、最後まで真摯に対応してくださり、質も量もボリュームのあるインタビュー記事にすることができました


マハポーシャさん、ご協力ありがとうございました





参考になりましたら、投票おねがいします

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